◆ 勇造ソロライヴ ◆
◆ 2002・6・28 ◆
「音楽活動してほぼ30周年になります」
そういう勇造さんの言葉からライヴが幕開けした。
タイトルが決まったのは今年に入ってからだったか・・・
『振り返るにはまだ早すぎる』・・・ほんとにいい言葉だ。
今でこそネットでCDも手に入るようになったけれど
最初はみんな旅先で、ライヴ先で、顔の見える相手に手売りされて心を通わせてこられた、その積み上げの30年。
勇造さんの唄が心に響くのは、そこにウソのない姿があるからだろう。
人生への熱いエネルギーを感じさせるタイトルだ。
これから3日間、どういう勇造さんに会えるのか、それが見たくて、その時間を共有したくて
全国から続々とファンが拾得に集まった。
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一日目のテーマは「旅」 最初は少し緊張されていたようだったけれど 『タイガージェット山本シン』のブルーズで ビールグラス片手に スライドギターを弾き出された時には 会場はどんどん盛りあがってきた。 たとえ小さいとはいえ、ビールのコップを指に挟んで キュイ〜ン!とギターを唸らせる。 それがまたカッコイイ! ついにその状態で上下に飛び跳ね出さはった! |
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きっとこの三日間のために 衣装だって悩まれたんでしょうね。 とってもステキはアロハで登場! |
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2部の前にチューニング この日のために、新しいチューニングメーターを購入されたそうだ。 「以前のものとのどこが違うかと言うと・・・」という勇造さんの問いかけに 私はすぐに答えがわかった! 「文字盤が大きい事!!」予想どおり! 会場に笑いがおこった・・・(^-^) |
「予定してへんかってんけど 今、会場を見てたら急に唄いとなって・・・」と 始まったのが『オールドマン ブルーズ』 ま、みんないい年やし だ〜れもそれに異議を唱えない。(笑) |
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Vo.G.Harp 豊田勇造 (1部2部 J200/ アンコール Humming Bird) |
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このポースを見れば曲名が・・・・ そ・・・『花の都 ペシャワール』 コーン!と響く乾いた音。 その余韻が会場に波のように静かに伝わって行く。 勇造さんの手にかかれば ギブソンが別の音を出して生き返る。 何もいらない、この音の余韻の中で まだ見ぬ街、ペシャワールに想いをはせる。 曲が終わってもしばらくは水を打ったように静まリかえって 一息おいてから拍手が沸き起こった。 みんな勇造さんの繰り広げる世界に酔っていた。 |
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ファンからの花束贈呈。 何故か握手の手が離れない。(笑) |
◆ ライヴを終えて ◆
「あ〜っ!緊張した〜〜っ!」と言いながらストンと腰掛けられ、すぐさま石田さんと話しだされた。
しばらくしてから気が付いた。
きっと喉がカラカラやったはず・・・
もっと早くにビールを注ぐべきだった、と、もう一人のファンの人と反省した。
勇造さん、ごめんなさい!
85歳になる、たぶん最高齢の勇造ファンの石田さんと。 京都でライヴがある時は時々お見かけするけれど 拾得に来られたのは初めてだったらしい。 石田さんは目がお悪いし、片方の耳も不自由でいらっしゃる。 でも、毎回石田さんの介護に付き添っておられるファンの方に会場内の様子を聞きながら、 あるいは木に触れて手触りなどを感じながら、会場のイメージを膨らませておられた。 勇造さんのCDもよく聴き込んでおられて、難しい曲も暗記されている。 勇造さんが歌詞の一部を言われると 「あっ!それは・・・」と曲名がすらすらと出てくる。 勇造さんと話せて、ほんとにうれしそうだった。 ライヴ中に勇造さんが石田さんの年齢を「86歳」と紹介された時 「ま、失礼ね!85よ!」とこっそり笑っておっしゃったことを私は聞き逃さなかった! いいよね〜!この感覚!ステキだっ!(^-^) |
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『うさぎ』の話になった。 勇造さんが『うさぎ』を弾いたハミングバードとの係わりを話された時に 舞台からハミングバードがおろされて石田さんの手元に。 小柄な石田さんに抱えられると、ハミングバードがやたら大きく見えた。 ちなみに石田さんは『高野グランドマンションのブルーズ』にも出てくる 高野にお住まい。 まったくもって正しい勇造ファン!(^-^) |
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「大文字の唄にでてくる『ハチドリ』というのはね、ここにいるんですよ。」と 勇造さんが手を添えてその場所を・・・ ほんとにいい光景だった・・・ じっと横で眺めていて、じ〜んと来た。 勇造さん、お母さんのことを思い出してはるのかもしれへん・・・・なんだかそう思った。 30周年ライヴの初日を終えて ここが一番心落ち着く場所だったのかもしれない。 若いファンに囲まれている時もうれしそうだけれど 石田さんと話す勇造さんは安心しきっておられるように見えた。 勇造さんはよくライヴで「あと30年やるし、みんなも来てや!」と言わはる。 ライヴ会場を見まわすと、みんなもうすでにいい年だから(笑) もし実現したら、この石田さんの年齢層で会場は埋め尽くされる計算にもなるのかもしれない。 その話を夢物語のようにぼんやりと聞いていたけれど 今ここに、それを実行されている人がいるんだ、と気が付いた。 ほんとに素晴らしいことだと思うし、私もそうありたい。 ライヴの2日前くらいから家を出発して、 あちこちで休み休みしながら会場に来ることになるかもしれへんけど(笑) 勇造さん、ぼちぼちと聞きに来ます。ずっと元気で唄い続けて下さいね。 そんなことを思いながら二人の様子を眺めていた。
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