Yuzo Photo Gallery 2011






2011/9/23

七軒会館



山形空港からレンタカーに乗って
カンチとムラセさんの3人での珍道中の始まり。
車にはしっかりナビが付いているというのに
いつものことながら「目的地に近づきましたので案内を終了いたします」って
フェイドアウトしてしまうお姉さん。
田んぼの真ん中に放置された私たちは
土田さんに電話するも、肝心の現在地がわからない…致命的〜!
「周りに何がありますか?」って聞かれても、田んぼばっかりで。
結局、途中で通り過ぎた高校まで戻り
そこまで迎えにきてもらうことに。
ナビで迷う三人。(~_~;)

着いた場所は商工会議所の隣にある、古い味のある建物。
控室で寛ぐ勇造さんにご挨拶。
釜石や陸前高田での様子を聞く。
ライブは大成功だったようで、プロジェクトをやってよかったと改めて思う。



今日は土田さんと、同じ職場仲間の和田さんが裏方をしてくださっている。
とにかく、テキパキと手際がいい。
「何かお手伝いしましょか?」って声はかけてみたものの
無用であるどころか、足手まといになりそうなことははっきりしていた。
天井の高い建物で、木でできているからギターの音がいい。
そう…今日はPAなし。
外は雨が降ったり止んだり。
ここまではどう考えても車で来るしかない。
それも、お客さんの多くはこの町の人じゃないという。



ライブの前に蕎麦を食べる予定だった。
ところが時は連休。
どこの蕎麦屋さんも大繁盛して、売り切れ。
何軒探しても、どこも嫌われてしまい
川沿いに建つ焼きそば屋さんにたどり着く。
私はお昼に空港でお蕎麦を食べていたから
焼きそばでご機嫌!
タレは関西のほうが甘いかな。おいしかった。

今日のライブには、ポンせんべいが付いている。
お茶もお酒もビールも冷蔵庫に一杯。
販売されるのかなと思ったら
フリードリンクというのにびっくり。
それも、その人の顔を見て
土田さんがビールやお酒を勧めてはる。
相手の嗜好までわかっているということだ。
それもそのはず
ライブを開催して20年以上というアバウトな答え。
一朝一夕でない「仲」を見る思い。
コップにお酒を注いで回る土田さんを見ていると
「秋田にきた〜」と実感した。(笑)



まずは土田さんのご挨拶。
まさに東北ライブのツアーマネージャー。
そして、我らが「誤字ら組」の栄えある組長。
さくらは唯一の組員なり。(笑)



カンチの出番。
高い天井、広い奥行の会場に
お座布団に座って静かに待つ観客。
きっと戸惑っただろうと思うけれど
いつも通り、ひんやりとした床の上に裸足で立った。

風に吹かれて(カンチバージョン)
大好きな歌うたい
おっさんのブルーズ
おばはんのブルーズ

を歌う。




勇造さんの登場。
カンちゃんの歌を聴いてたら
こてこてのブルーズがやりとうなった
…と
三人の旅人
太い音と細い音のバランスが絶妙。
拍手をされたお客さんに
ええとこで叩いてもらうのん、好きなんです
すかさず応えるところが流石。
一気に場が和む。
最後は左手だけでギターを弾いて終わる。


三人の旅人
虹の歌
好きなもの
それで十分
ポンせんべいの歌

桜吹雪
ザ・パラドックス・オブ・アワーエイジ
北上夜曲
満月
ブルーズをやろうぜ
大文字
会えてよかった 



寒くて周りになにもない。
そんなこのライブ会場の厳しさを言いながらも
俺には贅沢な空間だと。
見る人の心によって、同じものが違って見える。
それをこの歌で表したかった
と勇造さん。







同じような歌で…と虹の歌
雨音が止んで、窓の外から虫の声がする。




なんと、この羽後町には
ファンクラブの本部があるんです。

その通信の原稿を書いているときに出来たという
好きなもの

初めて東北に来たのは1976年。
「どっさ」「ゆっさ」
その短い会話…「どこにいく?」「湯に行く」
コミュニケーションの取り方に戸惑い、楽しんだ
という。
そして、この好きなものの曲の最後は
♪一番好きなもの それは東北
で締めくくられた。

続けて
それで十分
ギターがジャリジャリ♪すごい迫力で迫ってくる。
勇造さんの体の軸がしっかりとぶれないからこそ出る音。
そして、弦が切れた。
アンコールの前に弦が切れました…
今日は気合いが入ってます。(笑)


会場には、「勇造」のお酒を
作っている方もおられた。
気合いが入るはず。(笑)

今回、入り口でチケットを買うと
一緒にポンせんべいが付いてきた。
土田会長らしい配慮。
ポンせんべいの歌が始まる。


東京の阿佐ヶ谷の友達という紹介で
吉川さん…通称よっちゃんが来られていて
一緒に
を。
勇造さんも黄金色の田んぼを見て歌いたくなったようだ。
本当に美しかったから。



角館から来ておられる、昔からのファンがいらした。
それもあってか、
季節はずれだけれど
角館の桜を思い出して、
桜吹雪を。
お〜っと会場がどよめいた。
これは完全に予想外。
窓の外、虫の声が一層賑やかに鳴いている。



 

 

3月26日に出来たという
ザ・パラドックス・オブ・アワーエイジ
日本語に訳せば「私たちの時代の矛盾」
ダライ・ラマの詩に歌をつけられた。
もし誰か、ダライ・ラマに会うことがあったら
勇造が歌わせてもらってるって伝えてください。
たぶんあの人のことやし「ああええよ」って
いうてくれると思うんやけど。(笑)




  

ここで花束が贈られる。
冷えてきた会場が暖かくなるよう。

 

秋田やから本来なら関係が薄いのかもしれへんけど
といいながら
北上夜曲
切ない曲なので、リズム&ブルーズで歌います。
  

満月でカンチが呼ばれる。
リハではギターを弾いていたけれど
本番ではタイで買った「リン」を取り出した。

 

よっちゃんも一緒に
ブルーズをやろうぜ

  

そして、大文字
高い天井に響きわたるように、さあもういっぺんを繰り返す。

 

ここで二度目に弦が切れた…勇造さんがカンチにささやき
カンチのギターを手に取られた。

いつも通りのライブができること
普通に暮らせることが幸せ。
そんなことをイメージできない首相の姿に、虚しさを覚える
といいつつも
2011年さあもういっぺんと諦めることなく歩いて行きたいという趣旨のことを
言っておられた。
そう、今回のこのライブは土田さんにとって「さあもういっぺん」だと言っておられたことを思い出す。

最後はそんな土田さんへのラブソング、
会えてよかった
最初に泊めてもらったときに出来た歌だ。

傍で見ていて、勇造さんと土田さんは、本当にあうんの呼吸。
あまりたくさん話されるわけでもない。
でもわかりあっている。
そんな2人に流れる愛情たっぷり込められた歌が
目の前にいる人に届けられた。
以前は土田さんに照れもあったようだけど
今回は素直にありがとう!という気持ちを返しておられた。
幸せな2人を見た。

しんしんと静かに、熱くライブは終わった。


inserted by FC2 system