◆Yuzo Gallery Top  ◆2011

 

2011/7/9

勇造バースディライブ



開場と同時くらいに拾得に着くと
蔵の白壁の前で、ケイメイさん、永見さん、晴三さんが
まさしく「たむろ」しておられるの図。(笑)
いつにない光景。
どうやら締め出しをくらって、外でたばこを吸っておられた様子。
それはまるで、高校生のようでもあって
なにやら微笑ましい。
そう…今日のライブは「禁煙」
喫煙家の人には申し訳ないけれど
長いことこの日を待っていたので
入る前から肺の辺りが爽やかにさえ感じる。


  

薄暗い照明の中、晴三さんのカリンバの音が響き
レインツリーがサラサラ…
とつとつと、
雲遊天下が始まる。
最初はカリンバと勇造さんのアドバンスド・ジャンボだけ。
途中から、ワーン♪とドラムが面で鳴り出し
更に先で、ケイメイさんのハープが加わる構成。
仲さんのリードギターに、勇造さんがにっこり。
最後は2つのギターが音をすり合わせて終わった。



1部

雲遊天下
早川豆腐店のバラード
好きなもの
ジェフ・ベックが来なかった雨の円山音楽堂
恐ろしい夢
No Nukes One Love Good Music
キッス・バルセロナ 
 
 一転、カンカンカンと硬くて軽い音をたてるドラム。

 ♪歩けば水がこぼれ 豆腐がゆらゆら揺れていた

昔の面影を残す
早川豆腐店のバラード
そののどかな様子が目に浮かんでくる。



最後に勇造さんに乞われて
ケイメイさんのハープが
ぱぷ〜ぱぷ♪とかわいく鳴る。



 





 

今日は暑い中、こんなにたくさん来てもらってありがとうございます。
長いこと拾得でライブをやってきたけれど、今日初めて禁煙にさせてもらって
…と勇造さん作の張り紙の案内。

たばこの煙って、歌う人には辛くないんだろうか?ってずっと思っていた。
ただ、本人が吸う人も多いし、お酒の場でもあるので、なかなか禁煙にはしにくいんだろうと…
そこを思い切って決断された。
そのお願いの仕方が緩やかで、うまく着地。

   

ギターを345に持ち替えて
好きなもの
晴三さんのベースが太くてよく利いている。
それにしても
何度聞いても「柿」と「あられ」には笑ってしまう。

1年365日の350日は飲んでいるという勇造さん。
残り15日は…二日酔いか、風邪を引いているか…
つまり、350日は元気ということなんやね。
飲めるというのは健康のバロメータ?(笑)


 ちょっと早いけどこの歌を歌います
始まったのは
ジェフ・ベックが来なかった雨の円山音楽堂
このちょっと早いけどという感覚は
ファンならなんとなくわかる。(笑)







 

バンドがはちきれそう。
そして、ケイメイさんは相変わらず
あっち向いてホイ。(笑)
どうやら、これがケイメイさんの定番ということで…
これは確信犯。(笑)



勇造さんがケイメイさんに何かささやき…
ケイメイさんがハンドマイクを持って踊り始める。

 


 





 

アンプにギターを近づけてフィードバックさせる勇造さん。


ノブタニさんが加わって恐ろしい夢
345の赤いボディを叩く勇造さん。
ドラムがドロドロとしている。

一転、ギターがポコポコとした音に変わり
レゲエの小気味よいリズムをベースに
アルトサックスがその上をべったりと
恐ろしい様子で覆いかぶさっていく。


 
 


あとでノブタニさんに教えてもらった話。

私はずっと、今までのサックスを
アルトとソプラノだと思っていたけれど
この日初めて、アルトサックスを使われたと知る。
ということで、今までアルトと思っていたのは
実はテナーサックスだったということ。
ここで訂正しておきます。
でも、このアルトサックスの音色が思った以上に
勇造さんの声に合ったと
ノブタニさんは満足そうだった。
ちなみに、新しく購入された楽器だそうで… 

今度いっぺん、並べて見せてほしいな。
 

バンドのみなさんも声を揃えて歌う。

勇造バンドで本格的に合わせるのは初めてという
No Nukes One Love Good Music
怖ろしい夢
から物語が続いている。







会場も歌っていた。

 
 バンドのレパートリーの中で
もっともポップな曲です
という紹介で
キッス・バルセロナ

仲くんが今日は今までで一番ポップな服を着てますね。
なんかええことでもあったんでしょうか…


勇造さんがこんな風に振らはるということは
あながち…(笑)
ライブのあとで捕まえて聞こうと思っていたけれど
チャンスがなかった。



ラストはギター同士の意地の張り合い?(笑)
 



踊るケイメイさん。

 
 2部

背中(ソロ)
勇造ないないづくし(ソロ)
ポンせんべいの歌(ソロ)
パラドックス・オブ・アワーエイジ
虹の歌
それで十分
Happy Birthday to You
大文字




アドバンスド・ジャンボが
軽くジャキジャキと鳴っている
背中
ジャキジャキしているのに、水の音を感じる。
いつも思う…弦が切れそうって。(笑)

この歌の中で、お父さんが72才で出てくるので
自分も72才まではこの歌を歌おうと
思われている様子。




 

先日のラジオ出演で
これからの予定を聞かれたので
一番遠いところから話したんですが…
と勇造さん。
それは2019年7月7日円山音楽堂…!おおお!
公の電波を通して宣言されたからには、これは本物!


今日はバースディライブ。
自分の誕生日に恐縮なことなんやけど
久しぶりに会えた人もいるし
みんなそれぞれの誕生日を祝えたらええなと思って
こんなライブをやってます
 電気の使用量と一緒に入っていた「節電のお願い」
その節電項目をチェックしていったら
テレビもない、クーラーもない、電子レンジもないと
これ以上節電できひんことがわかった
と言いながら始まった
勇造ないないづくし
恒例になった「ない」の部分の合唱。
最後に「原発は いらない」で終わる。


この日、被災地から
ポンせんべいを売りに来られていた。
その人は、避難区域から外れている自宅で
苦心してポンせんべいを作っておられる。
その支援も込めて
ポンせんべいの歌

 ♪ポンせんべいは いらんかえ

まるで大原女の「花いらんかえ」のようなフレーズ。



 

 

バンドで
パラドックス・オブ・アワーエイジ
 We live in big house
But small family
勇造さんのギターがジャーンと鳴り
仲さんの音が底から湧き出てくる。

 
 





 
佐野眞一「大往生の島」を読んでできたという
虹の歌
ベースの音が心地よい。





 345に持ち替えてそれで十分
ドラムが小刻みにリズムを刻む。







 
 それで十分の熱気の中から
ノブタニさんのサックスが抜き出て
Happy Birthday to Youのメロディーを。

最後は大文字

だいぶ前に作った歌やけど
今年はいろんな想いを込めて…
言わんでも、もうみんなわかってくれてると思うけど…


想いはみんな一緒だ。




 
 






アンコール

老いてこそロック
満月 



アンコールの最初は
老いてこそロック
ダンシングタイム〜♪
いえい!という勇造さんの呼びかけに
客席からも
いえい!の応答。
それを繰り返しているうちに
なんか円山を思い出したと勇造さん。
あの時の熱気を思い出す。

ここで、今日の義援金の金額が明かされる。
ひとり1000円で、72,000円。
つまり72人がライブに来たということ。
たくさんの人が関われてよかった。


最後は
満月を。
先日のKBS京都のテレビ出演の際も歌われた曲。
しみじみとした田園風景の向こうに
勇造さんには東北が見えているようだ。
永見さんのリンが物悲しく響く。
平和な風景を取り戻したい。
そんな想いがひたひたと迫ってくる。 
「あの日」から、何を話していても東日本大震災のところに戻ってしまう。
この日も、3,000円のチャージの中から1,000円が義援金に回された。
そして、会場にはポンせんべいが並ぶ。
直接被害に遭っていなくても、みんな少なからず傷ついている。
拾得の中にも、そんな空気があった。
今まで当たり前に思っていたことが、実はどれほど大事なことだったかを
問い直している人も多いのではないか。

明らかに違ってきたのは「電気」に対する考え方、「放射能」に対する考え方。
どちらもそれ自体は見えない。
でも、見なくちゃいけない。鈍感になってはいけない。
ひとりひとりが責任を担っていることを、改めて痛感する日々。

3月11日…この日が命日となった人のなんと多いことか。
自然の恐ろしさにひれ伏す日となった。
同時に、守るべきものもはっきりした。
ごまかしも見えてきた。
こんな思いをしたんだから、今までと同じというわけにはいかない。

いつものごとく、勇造さんは核心の核心は言葉にされない。
でも、その方向に見えてくるものがある。
その時々、何を感じるとるかは「私次第」だ。
改めて、勇造さんは普遍の歌を歌っておられると感じ
歌で心をひとつにしたライブだったと思う。

歌は時代を生きている。
たかが歌、されど歌。
そして…心はひとつ。

 
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