Yuzo Gallery Top 2007



2007/11/9

能勢町天王公民館

【出演】
豊田勇造、SAM(赤木一孝・松崎博彦)、北摂マウンテンボーイズ


 


手作りの設営のど真ん中で、「天王」の文字が輝いている。(^-^)






会場にははや、ストーブが2台焚かれていた。
ここ天王は、この辺りでも特別に寒いところらしい。
何しろ、北海道から来た人が
「うちより寒い」と言ったそうだから(笑)

ストーブが焚かれていることに違和感がない。





まずは北摂マウンテンボーイズ、能勢の地元のバンドだ。
ライブの主催メンバーでもある。

ソリすべり
道草
村のバンジョー弾き
風の家(風和のテーマソング)
満身創痍ボーイズ


「おっさんになっても音楽をやりたい」と
週に一度、隠れ家(!)に集まって練習されている。
揃ってすごい楽器を抱えておられるんだよ…ね。
それもそのはず、と納得した唄が
村のバンジョー弾き

  ♪久しぶりの休み 1人村を抜け出して
  ♪目指すは 町の楽器屋へ

そして何故だか

  ♪ひっそり こっそり 自分の部屋に……    と続く。

あまりにも心当たりのある内容に
みんな同じなんやなあと笑ってしまった。
家族に理解されなくても
楽器好きが止められないという唄。(>_<)
あとで勇造さんが
「その辺の子どもが、そのまま大きくなって
ギターを弾いている気がする」って言うてはったけど
まさにその通り。
ご自分も含めて…だろうけど。(笑)





続いてSAMの赤木さんと松崎さんの2人。
上り調子に体が温まって来る様子がわかる手ごたえ。
最後に唄われた
祭囃子からっぽの部屋
一番しっくりとしていて、よかった。

赤木さんのMCは相変わらず絶品!(笑)
噺家顔負けの独特の味があって
私はこれを聞くだけで満足!(^O^)
楽器を抱えている時の目は、真剣そのものなのに
楽器を離すとどうしてこうなるんだろって、不思議なくらい。
この落差が赤木さんの魅力か。
松崎さんのベースはいい。
音が揺れている。







(?)
風が痛い
月の庭
ママはフォークシンガー(松崎さんソロ)
坂道の町(赤木さんソロ)
雨の夜はひとりで
戦争を知らない子ども達(第2バージョン)
祭囃子
からっぽの部屋





最後は勇造さん。
後ろから見ていたら、お客さんの背中が並んで見えたということで
ざわざわとしたイントロのあと、一呼吸おいて始まった
背中
最初から弦が切れそうな勢い。
最後の音の余韻をしっかり聴いて
シーンとした中、拍手が起こった。


激しいギターの中に、音にならないような音も混じる。
軽い縦乗りで
列車を走らせる男達の歌


初めての人も多いからと、自己紹介も兼ねて
勇造ブルーズ
「勇むという字を上から読むと…」
後ろの手書きのポスターが、文字の説明を容易にする。(笑)





背中
列車を走らせる男達の歌
勇造ブルーズ
夢で会いたい
キッス・バルセロナ
長崎帰り
フリー・アウンサンスーチー
ハンク・ウィリアムスを聴きながら
花の都/ペシャワール




お母さんが夢に出てこられたんだそうな。
カラワンのマネージャーをやってはったんやって。(笑)
そう説明しながら
夢で会いたい
この曲を聴くと、どうしてだか
「暗がりの中」…というフレーズがいつも心に残る。
「暗闇」といわず
「暗がり」という表現に、勇造さんらしさを感じる。



「照明さん!ぐるぐる回してください!」って声をかけられたのは
キッス・バルセロナ
北摂マウンテンボーイズの石井さんが
言われた通りにぐるぐるぐるぐる…(笑)






26歳の時、初めてツアーに出て
好きな人ができて…と
長崎帰り
「死ね」の「し」の音が混じりっけなくクリア。
この曲の中で、一番大事な音ではないだろうか。


このところのライブで必ず聴く曲
フリー・アウンサンスーチー

♪デモクラシー・イン・ビルマ・ナウ

私はこの「ナウ」という言葉がはっきりと聴き取れずに
ビルマのあとに続く言葉は何やろ?って、ずっと耳を澄ませていた。
今回、勇造通信を見て納得。
「ナウ」…たぶん「now」…だったんだ。




ギターをマイクから離したり、近づけたり
ネックの上を弾いたり
ボディとの際、ネックジョイント部分も上手に使って
自在に音を変化させておられる。
どこに自分の欲しい音があるのかを
熟知した手さばきだ。



北山修氏との出会いについて…
(SAM松崎さんの話を引き継いで)

勇造さんのお兄さんが
カントリーウェスタンのギターを弾いておられたとか。
でも、当時勇造さんはさほど
カントリーウェスタンに興味がなかったという。
ところが…中2の時、校内で聴こえてきた
カントリーウェスタンのメロディーに、どういうわけか心惹かれ
高2の人たちが練習しているところに、引き寄せられていかれた。
そこで「一緒にやらせてください」と頼み込み
「明日ギターを持っといで」と言われて持参したのが
お兄さんのギター「マスター」だった。
そのギターを見て
「あいつ、マスターを持ってきよった!」と話題になって
仲間に入れてもらったんだとか。(笑)
その高2のメンバーの中に北山修氏がいたと言う話。

運命的な出会いを懐かしみながら
北摂マウンテンボーイズの石井さんのマンドリンと一緒に
ハンク・ウィリアムスを聴きながら


会場の後ろでは、チャイが売られていた。
そんなチャイの唄…チャイばかり飲んでいるところの唄
花の都/ペシャワール
途中でPAの人に合図して
音を効果的に演出されていた。

このところ、この曲を聴く事が多いように思う。
やはり、不穏な情勢が
心にひっかかっておられるのかもしれない。



赤木さんがバンジョーを抱えて
ダブルバンショーの演奏。

…いっぱい楽器、持ってはるんや…ね。(ё_ё)



勇造さんが「もっと来い!もっと来い!」と
みんなを躍らせる。





最後は流れ者
昔少年、そして今も変らず少年という人たちが
楽器を抱えて楽しそうに並ぶ。

アンコールでは全員が舞台にあがって
2階のおばさんを。
この唄はアドリブがきくので
どんな楽器が並んでも怖くない。(笑)


♪2階のおばさん 太鼓が嫌い〜どんどん♪



2階のおばさん
流れ者







勇造さんはハーモニカで。


丁寧にお辞儀をされて…

勇造さんは年に何回
こうやってお辞儀をされているんだろうかって
拍手の中でその姿を見た。




会場の後ろでは、篠山のNPO法人風和の人たちが作られた
おいしい黒豆入りご飯に、おかずが売られていた。
上に紅葉した葉っぱが飾られているのが
風和らしい演出。(^-^)



主催が「バザールの仲間」というだけあって
先日の『月夜の音楽会』では能勢の人たちが裏方を手伝い
今回は篠山の人たちがお手伝いに馳せ参じていた。
能勢と篠山で人たちが繋がっている。
人の手、手作りのニオイが一杯のライブ。



PAのスイッチまで、馴染みバリバリの手作り。(笑)
暖か味がある。(^O^)




公民館となっているけれど
昔は保育園か、幼稚園だったのか…
外には小さな砂場と藤棚があった。
どこか懐かしい風情。
暗闇の中にぽつ〜んと灯りがついていることで
却ってぬくもりが感じられる。

近頃都会では見られなくなった野良犬だって
賑やかさに誘われて、どこからかやってきた。
それほど痩せてないところをみると
あちこちで適当にエサをもらっているのか…
こういう犬の存在を許容できる村なんよね。ここは。
野良犬の善し悪しは別にして
なんだか気持ちがほっこりする。



ちょっと怖がりだけれど
食べ物のニオイにつられて
そろりそろりと近づいてきた。



2004年の『能勢フォーク・キャンプ・コンサート』の折にも
花の都/ペシャワールハンク・ウィリアムスを聴きながらを唄っておられた。
花の都…木造の建物の響きを楽しむように。
そして、時代を憂うように。
ハンクウィリアムス…少年の頃、ギターを弾いた気持ちが理解しあえる仲間と一緒に。

この場所に立つ勇造さんの中で
そんな思いがよぎってはしなかったかと想像した。


翌日出かけた場所で
ギターを買ってもらったばかりの中学生に出会った。
まだ体には小学生の名残があるのに
抱えていたのは、フェンダーのテレキャスター。
え?のっけからこんなギター?って思わず言ってしまったけれど
彼は嬉しくてたまらない様子。(^-^)
レッド・ツェッペリンが好きなんやって…しぶい。(笑)
1日出会うのが早ければ、このライブに誘いたかったなぁ…
彼もきっと、大きな少年達の後を追いかけるんだろうから…(笑)
ギターが上手くなりたくて仕方のない、音楽の話がしたくてたまらない彼にとって
きっと目を丸くする一夜になっただろうと思う。

ギターが弾けない私からすれば
ギターという楽器に、若者が次々と魅せられていくことに驚く。
どこにそれほどの魅力があるんだろうかって。

わからないけれどわかるような…そんな気にはなっているんだけど…(笑)




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