Yuzo Gallery Top  ◆200



BIRTHDAY LIVE


2005/7/2



去年のバースディライブではあの人に会って、あの人にも会って、あの人と知り合って…そのあとみんなで…
そんなこんなを思い出してみると、それはまるで昨日のことのよう。
あれからもう1年経ってしまった。まさに光陰矢のごとしとはよく言ったものだ。
だけど光が早いのは当たり前。(笑)
みんなそれぞれに一生懸命その光の中で過ごしてきた。
あれから365日を過ごした「私達」…仲間も増えた。
それがなにより嬉しいと思えるライブの始まり。
さて、今日はどんな広がりに出会えるのだろうか。
そんな期待を持ちながら、雨模様の中、拾得に向かった。



なんと!ライブは
大文字から始まった!
ジャ〜ン♪というバンドの音が合わさった出だしに
え?と目を丸くした。(@_@)
この幕開けは全く予想していなかった。やられた。(笑)

「ぎょうさん来てくれたお礼に雨の唄を」
と言っても、おとなしいものじゃあない。(笑)
大文字の勢いを引き連れて
ジェフベックが来なかった雨の円山音楽堂
のっけからトップスピードだ。

この展開をリハで打ち合わせしたとき
ちょっと躊躇する空気もあったらしいけれど
そこは永見さんの「やりましょう!」の一言で決まったと
あとで勇造さんが教えてくれはった。(^-^)



          1部

大文字 
ジェフベックが来なかった雨の円山音楽堂 
ホールドオン
チャオプラヤ河に抱かれて 
雲遊天下 
唇かみしめて



ギターを345に持ち替えて、ホールドオン
まさに題名通り、包み込むようなギターの音、バンドの音♪
いつ聴いても、色っぽい唄だ。




ハミングバードに持ち替えて
チャオプラヤ河に抱かれて 
今日はドクター兼松さんも参加されていて
この曲ではピアニカを。哀愁が増す。

「メというのが母を指していて
ナムというのが水…母と水が重なると河
メナム、チャオプラヤ河です」という紹介。

永見さんのドラムが小刻みに
仲さんのタカミネがポコポコと硬い水の音を
勇造さんはハミングバードに耳を寄せて…

最後は音を置きに行くようにして終わった。
晴三さんのカリンバが
相変わらず軽快に奏でて始まる
雲遊天下

シャーッと下から湧き出るようなドラムの音。
曲がゆらゆらと揺れている。



「今年も会える、会えた。
 来年もきっと会える…」
そんな思いを伝えるように
唇かみしめて

ドラムの割れるような音の間を
ペースが埋めていく。

勇造さんが仲さんを
「もっと来い!もっと来い!」と煽る。


        

           歯を食いしばる仲さん。(^-^)



       2部

ポチャナ 
花の都/ペシャワール 
汽車が湖のそばを通る時(新曲)
田中一村(with晴三) 
GIBSON J-200 
行方不知




2部は「ソロのセッションで」(by 勇造)
ん?!難しい日本語に思わず吹いた。(笑)

♪ポチャナといたら 焦らずに済む♪

J200を転がすようにして
ポチャナが始まる。

♪簡単に生きて 簡単に死ぬ
 それが俺の望みだけれど
 生きることに疲れたら
 ポチャナに会いに 南に行こう♪

その歌詞がとても自然に私の中に入ってきた。
優しい唄だと思う。



今日は古いJ200。
「本当は休ませたいギターやねんけども
今日はなんかしらん、このギターで行こと思て
これを持って来たんや」とあとで聞いた。

傷んでいるのかもしれないけれど
この曲はやっぱりこのギターが1番のような。
そんな過酷な演奏に堪えて
花の都/ペシャワール
息を飲む緊張感が拾得を包む。
傷んだ体をカーンと叩く勇造さんの仕草に
このギターへの愛着を感じた。





10/22 4:30頃から(!)円山音楽堂
でコンサートが
予定されている。(雨天決行)
京都出身のミュージシャンで行なわれるフォークコンサート。
拾得には、ばんばひろふみさんの姿もあった。



先日の豊中のライブのときに
「今、列車をテーマにした曲を作ってるねん」とおっしゃっていた。
それがきっとこの日に聴けるだろうと、楽しみにしていた。


案の定、「今日は新曲を2曲用意してるし…」
その内の1曲、汽車が湖のそばを通る時が始まる。
「飯の食えん時からライブを主催してくれた」という
琵琶湖のそばに住んで、そして亡くなった人を想い、唄う。

♪寂しくないよ 俺だって
 いつか そこへ 行くんだから
 唄のある街角で 会えるんだから
 春夏秋冬 北へ向かう旅なら 
 思い出す 君のことを
 汽車が湖のそばを通る時♪



晴三さんのベースを加えて、
田中一村

「いつもソロでやってるし、ベースと一緒にやってみたら
新しいサウンドになるんちゃうかなと思て」

ベースがほんとにささやかに、ささやかに鳴っていた。



「正直言うと、50いくつまで唄えるとは思てへんかった。
また引き続き唄い続けますし、みんなも元気で!」

「ギターが喜んでるわ」とポンポンと叩きながら
GIBSON J-200

まさに酸いも甘いも一緒に味わった『俺の相棒』だ。




自分に言い聞かせるように 
切々と
行方不知 
ドクター兼松さんのハモンドオルガンの音も切ない。 




後ろでいつも静かに
だけど、ふと気付くと
すごく楽しそうにステップを踏んではって
その姿は見逃せない晴三さん。(笑)







3部の最初はこれまた新曲。
列車を走らせる男たちの唄
「先日の尼崎での列車事故を思うと
列車を走らせている人達が可哀相で…そういう人達に」

バンドから警笛が聞こえる、線路を走る音が聞こえる。
ほんとに列車に乗っているようで軽快。
とても楽しい曲の出来あがり。
バンドでやる醍醐味があって
これからおもしろく成長しそうな曲だと感じた。


        3部

列車を走らせる男たちの唄(新曲) 
走れアルマジロ 
海の人
無事でいられたら
海の始まり 
HAPPY BIRTHDAY 
大きな自由



相変わらず乗り乗りの敬明さん




走れアルマジロ 
ピアニカが規則正しく細かいリズムを奏でる。

♪大丈夫 なんとかなるさ 
 大丈夫 なんとかなるさ♪

このフレーズはいつ聴いても励まされる。
そう…なんとなかるさって、ほんとに思えるから。(^-^)

♪走れアルマジロ 走れアルマジロ♪のところで
みんなで声を合わせる。





静かに敬明さんの鳴らすレインツリーが
波の音を知らせる。
何が始まるんかな?マンゴシャワー?
いやいや…
海の人だった。
ゆったりとした哀愁のある仲さんのギター。
「仲さんのこういうギターが好きやねん」と私の横にいた人。
「この唄はドラムが入っているのがいい」と別の人。
聴く度によくなっているような気がする曲だ。


無事でいられたら
♪唄い続けよう
歩き続けよう
いつか会えるだろう
無事でいられたら♪

こういうゆったりした時の流れを唄う
勇造さんは最高だ。
たぶん、きっと今の勇造さんのタイム感覚に
近いんだろうなって想像する。







ハミングバードに持ち替えて
海の始まり

終わりに向けて
どんどんスピードが上がっていく。
これほどに激しい曲だったのかと…


そしてお誕生を祝って
HAPPY BIRTHDAYをみんなで唄う。
そう…1年に1度、誰にだってある誕生日。
それを祝えることはとても幸せなことだと思いながら
一緒に声を合わせた。
ここに生まれてきたことに感謝して…
この場にいられることに感謝して…


最後は
大きな自由
いつ聴いても大らかで晴々とする曲。
曲が表にどんどん開いていって
聴いている者を自由にしてくれる。




ほんの一瞬見えた永見さん。(^-^)
慌てて撮ったので、ぶれぶれ。m(_ _)m




それで十分

バンド全体が突っ込んでいく。
それをさらにドラムが引っ張る。

  アンコール

それで十分 
ブルーズをやろうぜ




345に持ち替えて
ブルーズをやろうぜ

あれもこれもいいんだけど
やっぱりこのバンドはブルーズがお似合い。
ここに落着くものがある。

「俺は幸せや」という勇造さんの笑顔でライブは終わった。





ドクター兼松さんが遥々持参された楽器。
この他にもライブ中は小さなキーボードがこの上に乗っていて
あとで聞いてみると
ピアノの音を出すために用意されたということだった。
ドクター兼松さんを聴くのは久し振りだったけれど
パワーアップされたなあって思う。(^-^)
YUZOBANDの「肝臓部門の管理」共々
これからもどうぞよろしく。(笑)





お片付けの永見さん。
いつもながら、ドラムフルセット自前というのは
大変なこと…お疲れさま。




この日一番の笑顔



遠方からのファンのみなさんと語らったあと
私達のところに来てドカッと腰を下ろされた勇造さん。
「祝ってもらえることが幸せで
なんか涙がでそうになってしもて
泣いたらアカン、泣いたらアカンって堪えてん…」
とおっしゃった。

いつだって人は一人で生きていけない。
それは言うまでもないことだけれど
ここに来て、周りの大切な人達が亡くなったりしていると
「生命」というものを否応なく確認せざるを得ない…
そんな勇造さんを見るようだった。
この日はご自分から「無事でいられたら、という想いで唄います」と
ステージでおっしゃった。
殊更それを口にされるのは
それだけ悲しみも喜びもたくさん抱えておられる
ということだろうと想像する。

明日はわからない。
今、ここに一緒にいる、それだけが確かなこと。
刹那に生きるというわけではない。
大事に、生命を愛しんで生きたい、そういうメッセージが
いつもよりもたくさん込められているように感じたライブだった。

見渡せば私の周りには
勇造さんをきっかけにして繋がった人達が一杯。
それだけでも感謝したいけれど
その縁をもっと大事にして、これからも繋がっていけたらと
改めてゆっくり辺りを見回したら、みんな笑顔だった。

生きているというのはそれだけでも素晴らしい。
そして、できたら笑っていたい、そう思いながらステージに目をやると
そこには勇造さんの笑顔があった。

お元気でまた、来年も再来年も
こんなお祝いができるようにしてくださいね。
私も、私達もまた、その時この場にいられたらなって思います。
みんなが幸せになれたいい日でした。
ほんまにお〜きに。


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