Vol.1
2002/4/13
ちょうど1年前、ネットで知り合ったたまさんから、
毎年桜の季節に長野・飯田で開かれるライヴに来ませんか?というお誘いを受けていた。
「桜の季節」にきっと唄われるだろう『桜吹雪』・・・それを想像するだけで気持ちがざわめいた。
季節感がありすぎて、通常の曲のように気軽にリクエストできない唄。
その上、どういう訳か関西では桜の季節にライヴがはずれていて、
私はまだ生でこの『桜吹雪』を聴いた事がなかった。
だから、本当の桜吹雪の中で、あの妖艶な唄が生で聴けるのなら・・と
二つ返事で1年後を約束して心待ちにしていた。
ところが蓋を開けて見ると、今年は飯田のライヴがなく、
その分、諏訪で30周年記念ライヴが行われるようだったので
すぐさま、たまさんと連絡を取り合って、諏訪で落ちあうことになった。
私のこの計画に乗ったれんげ草さんと、ライヴ主催者の木下さんに連絡を入れて
当日のホテルから、会場への送迎まで、すべてを手配していただいて準備は整った。
約束してからのこの1年、いろんなことがあった。
そしてHPを開いてHNも「さくら」とした私にとって、この桜のライヴは本当の意味での仕切り直しだったから、
ほんのささやかな決意をもって電車に乗りこんだ。
ナーサリーライムに入ると いきなり寛いでおられる勇造さんに出会った。 そしてその横には たまさんが・・・ たまさんとは初めてお会いするのに、思わず抱き合ってしまった。 同じ勇造ファンに言葉はいらない。 で、もう一人どこかで見かけた人が・・・ 去年の東京でお会いしていた藤村さんだった! 千葉からかけつけて来られていたんだ。 思わぬ出会いだった。 |
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いよいよライヴのはじまり。 場所はナーサリーライム横の木造のスペース。 主催者木下さんのご挨拶。 ホテルに迎えに来て下さった車中でお聞きした話によると もう20年、ずっと諏訪でのライヴを開催されているとか。 「本気ですよ!」という言葉が印象に残った。 |
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「思えば幼稚園のころ唄ってその味を覚え、 以来46年間唄い続けてます。 でも、なんとか食べれてるし、生きる中心に唄があって・・・ 続けてきてほんまによかったな〜って思てます。」 そういう挨拶のあと『大文字』が鳴り響いた。 |
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1部 「大文字」 「ワルツを踊ろう」 「海の始まり」 「チャオプラヤ河に抱かれて」 「花の都ペシャワール」 「振り返るにはまだ早すぎる」 「ジェフ・ベックの来なかった雨の円山音楽堂」 |
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「曲を作って家で唄ってみたときにはええ感じやのに 人前で歌うとみんなの反応から 期待したほどでもないなぁって思うのもあって。 でも、また何年かしてうとてみると、急にようなる曲もあります。」 |
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「今日は遠いところから来てくれてる人もおって」 と言いつつ、辺りを見まわして 「東京から来てくれてる人もおるし・・・ 名古屋から来てくれてる人もおる・・・」 そのあと私達をじっとみて、にこっと笑いながら 「ジャマイカから来てくれてる人もおる!」 会場爆笑・・・なんで・・・なんでジャマイカなん? 「衣装何着てたん?夏服でも着てた?」と 帰ってから聞かれたけれど・・ 黒いニットのアンサンブルを着てたんだよ。 えっ?黒かったから・・・?なの? これはいまだ謎です。 |
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2部 「桜吹雪」 「アイ・リメンバーユー」 「Dog of the bay」 「寝る5分前のブルーズ」 「ブルーズとお前に会った頃」 「オールドマン・ブルーズ」 「No War」 「タイ米ブルーズ」 「口唇かみしめて」 「アイ・リメンバー・ユー」では、右手は弾かずに、 左手だけでギターのポジションをたたきつけて 演奏されていた。 |
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アンコール 勇造さんが諏訪に来たら必ず立ち寄るという ジーパン屋『キング』のボブ・鈴木さんを呼び寄せて ハーモニカを吹いてもらい 「無事でいられたら」 それからソロで 「Mr.ブルース」 「クイーンエリザベス」 「長崎帰り」 「夜を重ねて」 |
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「夜を重ねて」ではPAをはずしてこちらに歩みよって来られ もう手をのばせば楽々届くというところで唄ってくださった。 体の向きは少しずつ変えられていたけれど、なんだか「自分」だけに弾いてもらっているような そんな錯覚をみんな持ったんじゃないかなぁ・・・あまりに近すぎて本来なら照れてしまう距離だけれど その迫力と一途さに、息を飲んで聴き入った。 写真なんて、撮れる状況でなかったし、撮ろうという気持ちにならなかった。 |