2011






2011/12/25

 

クリスマスの日、『聖夜 酔いどれ達の夜Vol.22』に
カンチ&キムラでゲスト出演。
主演は言わずとしれた、寺田町と砂布均だ。
場所は河原町二条の角のビル5Fどん底ハウス。
角が全面ガラス張りになっているので
まるで空中に浮かんでいるかのようでもあり
高所恐怖症の人は、隅の席には座れないかも。
真下が河原町二条の交差点。
いくら見ていても飽きない。
初めて訪れるけれど、よい感じのお店だ。

寒い中、忙しい中、人が集まりだした。




まずは並んでご挨拶。
あとでクリスマスプレゼントの抽選がありますよ〜って。

 

渋い2人とはあまりに違う路線のカンチ。
そこはいつものように…(笑)
キムラさんも遥々駆けつけてくれた。




1曲だけ、ひとりで歌う。
寺田町に捧げてって、ちょっとダミ声の『ブラウンくん』
これが大うけ!(笑)
砂布均はカウンターから飛び出してくるし
寺田町はオナカを抱えて笑っていた。
しかし、この冷える時に裸足とは…
生で地面をとらえてないと、オナカに力が入らないのか。
これがカンチのスタイル。

 

続いて砂布均。
珍しく座っている。
この状態で大きなJ200はかなり抱えにくそう。(笑)
それにしても、いつもながら抜群のリズム感。
リズムを取る足は、椅子からはみ出して宙を蹴っている。



悪そうに歌っているけれど、本当はいい人だったりして
落差から発するエネルギーが、歌に勢いをつけている。
弾けているけれど破たんしない。
そのキワキワの危うさが、彼そのものだと思いながら聴く。
浅川マキは渋かったね。
とても気分がいいんだっていう、それが伝わってきた。
今まで聴いた砂布均の中でもインパクトがある良さだった。



最後は寺田町。
この美しき立ち姿!
しかし、残念なことに少しおしゃべりをするお客さんがいた。
原発の話に夢中になっている。
すると…


 

リハであれほどチェックしていたマイクから外れ
客席になだれ込む寺田町。
みんなが彼に集中する。
その迫力に圧倒され、私語はピタリと止まった。
まさにプロの技を見たり!
聴け!というのではなく、相手に聴きにこさせる技。
プロは音で黙らせることができる。

ほとんど弦を切ることがないという人なのに
1曲目で弦を切った。
ナイロン弦はめったに切れるものではない。
やはり力が入ったのかもしれない。
でも、「別に6本なちゃいけないわけではなくて、5本でも大丈夫」と
5本で弾けるだけ弾いて



5本で無理な曲になったときにはじめて
カンチにギターを貸してくださいと、J50を抱えた。
寺田町が鉄弦を弾くという、ちょ〜レアな場面。


 

アンコールはアカペラで。
それはまるで一人芝居を観ているかのよう。

『酔いどれ達の夜』のライブは今までに何回も行っているけれど
今回が一番、イキイキとしていて
砂布均も最高のできだったし
寺田町に至っては、芸術的ともいえるほどだった。
誤解なく言えば、「これで飯を食ってます」というプライドを感じさせた。

砂布均と寺田町。
2人に共通していること…それは
2人とも同じ年齢。
どうみても「ふつう」の人ではない風貌。
とても気さくで、とても気遣いがあって、人を大事にするところ。
でも、「自分」も同じく大事にしていて
決して混ざらない、強いものを持っている。

年を取って、どんどん人生が楽しくなっているという寺田町。
途中で人生を投げ出したりして、命を粗末にしないように
こんなに楽しいことがいっぱいあるのに
それはとてももったいないことだと言っていた言葉が
ズシンと心に届いた。

カンチ&キムラも含めて
人生を決して捨てない人たちのライブ。
それぞれの命を抱えた、大人のクリスマスを味わった。
 
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