2010










2010/2/13
カフェギャラリー シャイン
(埼玉与野)

                        

待ちに待ったこの日がやってきた。
遠足気分で、朝はいつもよりも早くに目が覚める。
時刻は6時前…ゴソゴソと起き出して家事を始める。
どうしてかな。遊びに行く日は家事がはかどるんよね。(笑)

用事を早めに片付けて、いざ出発!
新幹線の改札を済ませて
中でお土産を買ったり、車内で食べるオヤツを買ったあとは
コーヒーを飲みに入るのが旅の決め事。
でも生憎、いつものコーヒーショップが改装中だったので
仕方なく待合室へ向かうと
入り口におかしな人形を発見。(@_@)
衣装は京都やけど、顔はバタ臭い。体もバタ臭い。
趣味わる〜!と言いながらも写真を撮る私。(笑)
こんなものをカメラに収めているのは、本物の観光客ばかり。
私もそこはまるでトラベラーの振りをしながら、写真を1枚撮った。



関西は快晴。
雪を被った伊吹山が青空に映えて美しい。
この分だと富士山も期待できる。
もっちろん、席は富士山側に確保している。
これも関東に向かう時の決め事!(笑)

 

カンチははやビールのタブをプシュー!
「朝のビールはよ〜回るわ」と言うことで、1缶だけにセーブ。
譜面を出して点検している。
勇造さんが書いてくれたギタータブも見える。

私達は確実に関東に向かっていた。
名古屋あたりから段々お天気が悪くなり
憧れの富士山は…ま〜〜ったく見えない。(-_q)
カンチはビールが効いて…さくらはすねて…品川まで寝る。(笑)



なんと!与野に着くとみぞれまで降ってきた。
風もあって、体感的にはこの冬一番の寒さと感じる。
関東ってこんなに寒いん?と
思わず首をすくめて小走りになる。
えらいこっちゃ。こんな日にみんな来てくれはるやろか。

まずは腹ごしらえ。
「カツ煮定食」…不思議な名前に興味本位で頼んでみる。
どんなものが出てくるのかと思い気や
カツ丼の上の、カツと卵とじを別に器にあけたような感じ。
とても美味しいんだけれど
どれもこれも少し塩辛いように思ったのは気のせいか。
それともこれが関東なのか。




シャインは駅前からにゅ〜っと顔を出すと見えるような立地にある。
入り口には見慣れたチラシが飾られ
すでに江上さんやソウルブラザーズの面々が揃っていて
や〜や〜や〜と再会を喜ぶ。








2階にはダンス教室があるようで
なんだかいい感じ。(笑)



江上さんが主催されているライブでは
「ピースライブ読本」を毎回作っておられる。
今回の表紙は「さくら色」にしてくださった。
その心遣いが嬉しい。
ものすごく手間がかかっていて、頭が下がる思い。
ライブ発案者である白石孝さんのこと、勇造さんのこと
そして6月6日円山音楽堂コンサートのこと、それを挟んだ前夜祭、後夜祭のことなど
読み応えのある中味。
その丁寧な仕事を見るにつけ
遊びとはいえ、シャキっと遊ぼ!という気持ちになる。




まずは江上さんと白石さんのご挨拶からライブは幕開け。
去年の6月、南風楽天でカンチの唄を聴いてくださった白石さん。
お2人のご尽力によって、こんなに遠いところでライブをさせていただくことになった。
呼んでくださってありがとうございます!












いよいよ五十嵐正史&ソウルブラザーズの演奏が始まった。
このバンドの演奏を聴くのは
去年の円山音楽堂コンサートの前夜・後夜祭以来。
でも、12月の勇造さんのMANDA-LAUのライブでもお会いしているし
500キロも離れているとは思えない「近さ」を感じている。
物理的な距離なんて関係ない。
ほぼ遠距離恋愛みたいなもので、気持ちは繋がっている。(笑)

その五十嵐正史&ソウルブラザーズの音を聴いて、改めて思った。
このバンドの音は暖かい。愛情がある。
音が「人が好きだ!」と言っている。(^-^)
聞けば、今年で結成20年という。
バンドで20年も続くというのはすごいことだ。
学生からの20年といえば、劇的に環境も変わる時。
その時期をずっと一緒に過ごしてきているというのが
このバンドの何よりの強みじゃないか。
それぞれが自分の個性、役割を心得ているから
続いているんだろうと思う。

五十嵐さんが時々かける、威勢のいい掛け声が好きだ。
あのリズム感とあの思い切り、そしてそこにある連帯感。
広がっていたものがあの一言でキュッと締まる。
掛けようとして掛けられているわけではないだろうし
その場のタイミング、気分で掛かるんだろう。
引き締まるあの掛け声に、みんなが信頼して集まっている。
山村さんの、曲を分け入る自在な三線。
浅田さんの、ゆっくり踊りながら体でリズムをとるベース。
そして、ここぞというところで鳴く森田さんのギター。
それぞれの個性を大事にして
五十嵐さんが全体を上手くまとめている。
そこに梅田ゆかりさんの優しい声も加わった。
ビジュアル的に彼女の存在は大きいかも。(笑)

聴けば聴くほどに好きになるバンドだ。
場を暖めてもらって登場したカンチ。
相変わらずの裸足で
まずは自己紹介のアドリブブルーズをイントロに。
後で聞けば、これが館野さんに気に入ってもらえたようで…(笑)







「タクと俺のブルーズの始まり」を挟んで
「おっさん何するねん 刑事さんなんでやねん」






そして、キムラさんのベースをバックに
楽器を置いて吼える?歌う?の巻き。(笑)
初めての人はたぶん、「何ごと?」状態かもしれない。
究極の語り唄みたいなものか。
作った唄よりも、更に「生」の自分をさらけ出している。
なんでまたそんなことを、と思いつつも
近年、落語を唄ってみたりして
当たり前の唄い手からどんどん離れていく芸風。(笑)
みなさんがどこまで許容してくださるかは不明だけれど
それが「今のカンチ」だから仕方ない。(笑)
自分の気持ちを表現する方法として
なんでもありということか。
思い切り自分の弱さもさらけ出している姿は
却って強く見えたりするから不思議だ。
思えば、カンチの一番の強みは
「あるがままを受け入れる」ということかもしれないと
笑い転げている旧友の横で、そんなことを考えた。



6月に味をしめた「ソウルブラザース使い回し演奏」の巻き。
今回も遠慮なく使い回し。(笑)
まずは三線の山村さんを交えて「おっさんのブルーズ」


山村三線炸裂〜☆
もう弾いてるんだか踊ってるんだか…状態で
わぃわぃとみんなが喜んでいる。(^O^)




「おばはんのブルーズ」に続けたあと
五十嵐さんと森田さんも使いまわしの巻きで
「康のブルーズ」
ケイメイさんに褒められたという五十嵐さんのハープはなかなかうまい〜!
森田さんもすっかり曲を理解して、2人の加入で情けなさと悲惨さが増す。(笑)
みんなが♪どこがええやっちゃねん!誰がええやっちゃねん!♪を待ち構えているのには
笑ってしまう。(笑)



最後は「おやじの住んでいた街」をソロでしっとり終わる。







勇造さんのトリビュートということで
「雲遊天下」「ブルーズをやろうぜ」をみんなで演奏。
そう…ここにいる人たちは「豊田勇造」というキーワードで繋がっていた。
勇造さんの偉大さを今更ながら思う。
客席の館野さんも飛び入りして
憧れのマンドリンA1をガンガン弾いてくださった。

   






アンコールで「老いてこそロック」




♪老いてこそロック
♪老いてこそブルーズ
♪老いてこそ旅
♪老いてこそ愛


時はバレンタインデー♪
急接近して見詰め合う2人。(笑)
今回のスペシャルな1枚!



それはそれは楽しそうで
その様子は心をそのまま見ているよう。
やっている人たちの、楽しくて仕方がないといった感じにつられ
客席もダンシングタイム♪
私の横でも、普段はきっときちんとした奥様をやっている人たちが
一緒に踊ってくれたのには、更に嬉しくなった。
みんなにこにこクスクス笑っている。
泣かせるライブはできないけれど
笑わせるライブならできるメンバー。(笑)
気も心も晴れました、そういって帰っていく人たちに
こちらも力をもらった。

や〜や〜や〜!
お〜きに!お〜きに!
ほんま、たのしかったですわ〜!







江上さん、本当にありがとう!




シャインで打ち上げをする。
カンチの唄にもあるように

♪何を話したわけでもない
♪ただ一緒に酒呑んで
♪それだけでうれしゅ〜うて

そんな世界だったね。
関西に住んでいると、関東方面は「関東」という言葉でつい一括りにしてしまう。
本当はすごく広いことも頭の隅では理解しつつも
地理もわからないし、ましてや交通の便もさっぱりわからないので
「あなた」の住んでいるところが
与野から遠いのか近いのか、便利なのか不便なのかもわからない。
いや、そもそも与野という場所も把握できていない。
ということで、一括りした「関東」の人たちに、ライブの案内を出してみた。
その数、結構なものになるのには我ながら驚く。

そして…久しぶりの再会が沢山あって、思わぬ人たちに会えて
更に思いも寄らない京都からの顔ぶれもあって
それだけで嬉しくなるライブの始まりを迎えた。
細い糸で繋がっていても、手繰り寄せたらそこにまた、暖かい出会いが待っていた。
それが分かっただけでも嬉しかった。
ライブってこれやからやめられへん…きっと唄うたいはそう思っているだろうな。


今もし、孤独を感じている人がいたら言いたい。
勇気をもって自分の周りにある細い糸を手繰ってみませんかって。
一本も糸のない人なんていない。
人は独りでは生きられないから、必ず糸はあるはず。
その糸の先に、手ごたえのある獲物がかかっているかもしれないよ。(笑)
自分がその糸を手繰ろうとするかどうか。
いいことばかりじゃないけれど、繋がったら、動いたら
きっと何かが変るし、何か得るものもあるように思う。
思わぬところから違う世界に展開していくのを、何度も経験した。
あ〜勇気を持って動いてよかった、と思ったことが何度もあった。
動いたからわかることも沢山あった。
もちろん失敗も含めて…

今回中心になって動いてくださった江上さんの行動を見ていて
その丁寧さにはどの場面でも頭が下がった。
人が見過ごしてしまう、甘えてしまうところも
きちんと立ち止まって礼をつくされる。
おかげで、「自分達が大事にしてもらっている」とたびたび感じ
そのことでまた、それに応えようという気持ちにもなり
暖かい気持ちが伝染して、物事がうまく転がっていく。
ついつい、後先のわからない時間になってしまうところを
今回はじっくり進むことができた。
そういうライブを経験できたのは、私にとって大きな収穫だ。
これから物事に関わるときに心に留めておきたいと思う。
それに気づかせてもらった出会いにお礼を言いたい。


いろんな人がいる。まだまだ出会わない人がいる。出会って気づくこともある。
こんな世の中だからこそ、沢山の人と押しくら饅頭しながら暖まれたらいいなと思う。
形なんかどうだっていい。
綺麗でなくていい。
かっこよくなくていい。
まんまるの饅頭にしようとしなければ、たくさんの出会いがありそうに思う。
傷つくこともあるけれど、喜びも大きい。
そして、「時」という魔法薬が加わることで
どういうわけか喜びばかりを思い出す人間の勝手さ。(笑)
それを思うと、人間というのは本来「喜ぶ造り」になっているんじゃないかと思う。
悲しむため、苦しむために生きる造りではないって思いたい。

肩をぶつけあって手ごたえを掴みたいな。
私にとってライブはそういう場所。
その場所を丁寧に作ってくださった人たち、迎えてくれた人たち
そして集まって繋がろうとしてくれた人たちに
とてもとても感謝している。

楽しい時間を、どうもありがとうございました!




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