2009

2009年12月5日(日)
東松山 紗灯

 ●ひゃくあなくらぶ(???)
 ●長豚剛(ギター弾き語り)
 ●Tomo(ウクレレ弾き語り)
 ●楽団座間壱丁目
  (インスト ウクレレ+パーカッション)
 ●おと(バンジョー)
 ●三味線ボーイズ(津軽三味線デュオ)
 ●カンチ(おっさんを哲学するブルースマン)
 ●分成田文代+成田屋雪枝(唄・三味線・舞踊)
東松山…勇造さんの「二人の絵描きさん」の舞台となっている
丸木美術館に行ったことがあった。
その時は車だったので
東松山の駅に降り立つのは今回が初めて。
前日のMANDA-LAUからムラセさんと一緒。
この日関西から上京したカンチも
同じ電車に乗っていて、ホームで合流する。
大阪と名古屋の人間が埼玉で合流だなんて
考えてみれば、それだけでも不思議なことなんだけど。(笑)

雨が降りかけていた。
駅から出たところで、
いきなりインド人に捕まる。
新しく始めたカレー屋さんのチラシを配っていた。
丁度昼食の場所を探していたところだったので
「おいしいよ!おいしくなかったら、お金返すよ」って
上手で、でもなまった外人特有の日本語で説明され
それにフラフラとつられて、カレー屋さんに到着。

再度訪れることは難しいところなのに
インド人の料理人2人はそうとも知らずに愛想がよく
「辛さどう?」「ナンはもういい?」って
丁寧とやかましいのマゼコゼのところで、席まで聞きに来る。
おかげで満腹!
この調子でいくと、いつか東松山に降り立ったとき
誘われるように、またここに来てしまいそ。(笑)




紗灯(シャトウ)は東松山の図書館のすぐ向かい。
到着したらすで会場の準備が出来ていた。
お座布団がほっこりする。





これはどうやら、独さんのテルミン。
秘密兵器は隠してある。(笑)
  

ここで演奏者に
いきなり「お食事券」が配られ
近くの焼鳥屋さんで1500円分使えるという。
始まる前に焼鳥を食べると、気分が「終わって」しまいそうだったので
宴が終わってから行こうとカンチと話して
お店の終い時間を独さんに聞くと
「9時」という返事。

9時?!(@_@)

ということは
リハを終えて開演までの間に食べにいかないといけない。
思わずカンチと吹き出した。
独さ〜〜〜ん!先に打ち上げかぃ?(笑)

ということで、
いきなり焼鳥。(笑)
東松山で焼鳥といえば、その正体は豚。
お店に入って、適当に座って飲み物を頼んだら、勝手に(!)焼鳥が次々と出てきた。
もうオナカが一杯だと断っているのに
「コラーゲンたっぷりだから美容にいいよ」って、まだ出してくるおじさん。
そういわれたら、食べざるを得ない。(笑)
カンチはビールを飲んでいるし
ウクレレ弾きのTomoちゃんは、日本酒を燗でなみなみとコップに注いで
いきなり身の上話など。
いえ…初対面なんですよ。(笑)
もうすっかり打ち上げムード。

は!と気づくと開演数分前。
ありゃ〜!こりゃ大変!\(◎o◎)/!
焼鳥の串を片手に、雨の中を紗灯に小走り!

なんという開幕。(笑)

駆け込んだら、すでにひゃくあなくらぶがスタンバイしていた。
独さんと独さんの同級生のバンド。
いや…久しぶりにテルミンなど、いろいろ趣向豊かに楽しませてもらった。



続いて
長豚剛さん。
最初誤植かと思っていたんだけれど
長淵剛が大好きな人だった。(笑)
なんだか姿も似ている。
PAの機材も全部持ち込んで、裏方もこなしてくださった。



そして、先ほどまで横で日本酒を舌なめずりしていた
Tomoちゃん。
曲はロマンティックなのに、言葉が元気。
「さ!いくで〜!」って、拳を振り上げている。(笑)
お客の反応が悪いと「なんや、お通夜みたいやな!」って。(笑)
そ…元々関西の女性だった。



1部の最後は
楽団座間壱丁目
ウクレレの世界ではかなり有名だという「まいたけ」さんと
パーカッションのユニット。
これはほんとに上手かった!
軽快なリズム感が好き。
近くなら追っかけしたいくらい。



2部の最初は、お馴染み
おとさん。
おとさんも始まる前にかなりご機嫌ムードの焼鳥だった。
相変わらず丁寧なバンジョーと
やさしいシャベリ口。






そして津軽三味線を自在に操る、
三味線ボーイズ
キチンと師匠について習っていて
そのお仲間同士でライブにも出没。
小刻みな縦乗りのリズムに
二人の三味線がよくあっている。
ものすごく勢いがあった。
  

そしてそして、
カンチの出番。
まずは東松山の駅でインド人に会ったところをネタにして
即興の歌が始まる。
もったりとした関西のシャベリが受けて
想像していたよりもやりやすそう。
割り箸に挟んだおひねりを頂き
それを鼻にさして、おどけて退場。(笑)


  

最後は
分成田文代+成田屋雪枝さん。
花街で培った、本物の芸が披露される。
雪枝姐さん(写真右)は本来ならもうご就寝の時間。
普段は杖をついておられるというのに
舞台に立てばシャキと見事な踊りを披露。
一朝一夕ではない、芸の真髄を見た気がする。

 

最後に
さんがウクレレを抱えてご挨拶。
私はやっぱり、独さんのウクレレ姿が好き。
なんか「遊んでる」っていう余裕を感じるから。
そこに「粋」を感じるから。


関東版「ひゃっきんライブ」のような、びっくり箱のような楽しいライブだった。
店内はいい意味でざわざわとしていて
いわゆるライブ形式というより、日常の中に演芸があるという言葉がふさわしい。(笑)
それでも、そのざわめきが消える瞬間が何度かあった。
その時、舞台では芸が花咲いていた。
人を黙らせる力のある芸。
それは四の五の理屈のある世界ではない。
大衆演芸ってきっとそんなもんなんだろう。
感覚として一瞬にして人を惹きつけることができるかどうか。
そんな力のある芸かどうかが、この場においても容赦なく試される。
客席の反応も見ていておもしろかった。

それぞれが精一杯自分の芸を披露し、出来の善し悪しは客がシビアに決める。
私達も先に焼鳥を食べて
いつもとは完全に違うパターンのライブを味わった。
独さん主催ならでは…かも。

終わってから、カンチはシャベリを褒めていただいた。
そんなことは初めて。
場所が関東ゆえかもしれないけれど、シャベリもまたライブの重要な要素だし
カンチのような語り歌の場合、シャベリも歌も紙一重だから
シャベリを褒めていただくということは、歌もまたよかったということだと思う。
関東でやっとまともに歌えたという実感があったのではないかな。

今度機会をいただける時があったら、ブルーズ落語をやってみる?(笑)



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